Jun 12, 2020
資料・レポート

「JF日本語教育スタンダードのCan-doの量的検証について ―産出、やりとりのCan-doを中心として―」 調査報告書を公開しました。

【概要】
1.量的検証実施の経緯
 国際交流基金は、日本語の教え方・学び方・評価のし方を考えるためのツールとして、2010年に「JF日本語教育スタンダード」(以下、JFS)を公開しました。JFSは、欧州をはじめ世界の言語教育・学習の場で広く共有されている枠組みである「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」(ヨーロッパ言語共通参照枠。以下、CEFR)を参考に開発したものです。
 JFSとCEFRはともに、言語の熟達度を6つのレベル(A1、 A2、 B1、 B2、 C1、 C2)で表しており、各レベルには「~ができる」という形式の例示的能力記述文(Can-do)で、典型的な言語活動や言語能力が例示されています。JFSはCEFRと共通のレベルを利用しているため、CEFRを参照している他の言語と、言語活動や言語能力等のレベルのイメージを共有することができます。
 しかし、欧州の文化や考え方、言語場面などをベースに開発されたCEFRの枠組みが、文化的背景や言語体系が異なる日本語教育・学習においても妥当なのかという点については、議論があります。
 こうした議論に資する目的で、国際交流基金日本語国際センターでは2018年度にJFSの「量的検証」を実施しました。「量的検証」とは、Can-doが各レベルに相応しい難しさであるかどうかを統計的な調査によって検証することです。
 今般の検証では、JFSの中のCEFR Can-doおよびJF Can-doの計1,045のCan-doから産出、やりとりのCan-doを中心に100のCan-doについて検証を行いました。

2.検証の結果について
 全体として、困難度の数値に基づいたCan-doのレベル付けは「概ね妥当」と言えました。検証した100のCan-doの困難度は、個別に見ていくとレベルが逆転しているものや、 JF Can-doの方が同レベルのCEFR Can-doに比べてやや難しいものもありました。しかし、カテゴリー×レベルごとの平均を見ていくと、想定レベルによく合致し、カテゴリーごとに見ても、概ね順序性は保たれていました。
 また、オリジナルのCEFRで行われた量的検証にて出された困難度と、今回検証したJFSのCEFR Can-doの困難度の比較もしましたが、その値はよく合致していました。
 なお、合わせて、学習者の母語による違いが、Can-doの達成に影響があるのかという点についての検討も行いました。
 分析及び調査の方法、結果の詳細等については、報告書をご覧ください。

Apr 1, 2020
関連情報

日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』が公開されました!

国際交流基金日本語国際センターでは、新たな教材『いろどり 生活の日本語』をウェブサイトで公開しました。
外国人が日本で生活や仕事をする際に求められる基礎的な日本語コミュニケーション力を身につけるのに役立つコースブックです。ぜひご活用ください!
『いろどり 生活の日本語』

ページトップへ